胃がん

胃がん

胃がんとは?

胃がんとは?

胃がんは、胃の内側を覆う粘膜から発生する悪性腫瘍です。胃の壁は粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5層から構成されており、初期の胃がんは粘膜内にとどまっていますが、進行すると深部の層に浸潤し、さらにリンパ節や他の臓器へと転移していきます。

長年にわたり、胃がんは日本人のがん死亡率の上位を占めてきましたが、食生活の改善やピロリ菌対策などにより近年は減少傾向にあります。それでも未だに多くの方が胃がんで亡くなっているため、依然として軽視はできません。

胃がんの症状

胃がんの症状は、進行度や発生部位によって異なります。初期の胃がんでは、ほとんど症状が現れないか、あっても軽微な場合が多く、これが早期発見を難しくしている要因です。症状の有無に関わらず、定期的に検査を行って早期発見に努めることが大切です。

早期胃がんの症状(あっても軽微なことが多い)

  • 胃もたれ
  • 胸やけ
  • 食欲不振
  • 吐き気 など

進行胃がんの症状

  • みぞおちの痛み
  • 急な体重減少
  • 腹部膨満感
  • 食後の嘔吐
  • 貧血(疲労感、めまい、息切れなど)
  • 黒色便(タール便) など

胃がんの原因

慢性胃炎(ピロリ菌感染)

ピロリ菌の長期感染は、胃がん発生の最大のリスク要因です。ピロリ菌は胃粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、胃粘膜の萎縮を進行させ(萎縮性胃炎)、最終的にがん化につながると考えられています。

食生活

塩分の過剰摂取、栄養バランスの偏り(特に野菜の摂取不足)などが胃がんのリスクを高めるとされています。

喫煙・飲酒

喫煙者は非喫煙者に比べて胃がんのリスクが高まります。また、過度の飲酒も胃がんのリスクを高めると考えられています。

遺伝

胃がんの家族歴がある方は、胃がんや胃ポリープの発生リスクが高くなります。

その他の要因

加齢に伴い胃がんのリスクは上昇します。上述した症状がなくても、30歳以上で一度も胃カメラ検査を受けたことがない人は健診としての検査をお勧めします。

胃がんの検査と診断

胃がんを発見するための検査

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)

内視鏡を用いて胃の内部を直接観察し、異常が疑われる部位からは組織を採取(生検)して、顕微鏡で詳しく調べます。早期胃がんでも高い精度で発見できるため、胃がん診断の標準的な検査方法となっています。

当院の内視鏡検査

神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、消化器内視鏡専門医の熟練した技術と高画質システムにより、症状のない早期がんも確実に発見いたします。

バリウム検査(上部消化管造影検査)

造影剤(バリウム)を飲んでX線撮影を行うことで、胃の形態や壁の変化を観察し、がんを疑う病変を見つけます。健康診断や胃がん検診におけるスクリーニング検査として広く行われていますが、病気の確定診断まではできないため、異常を指摘された場合は内視鏡検査による精査が必要です。

食道がんの進行度を調べる検査

CT検査、MRI検査

体の断層画像を撮影し、胃がんの大きさや周囲への広がり、リンパ節や他臓器への転移の有無を調べます。胃がんの病期(ステージ)の判定のためにも重要です。

超音波検査(エコー)

超音波を利用して体内を画像化する検査です。リンパ節や周辺臓器への転移の有無を調べます。

PET-CT検査

がん細胞に取り込まれやすい特殊な薬剤を注射した後に、CT撮影を行う検査です。薬剤の集まりを画像化することで全身のがんの広がりを調べ、遠隔転移の有無を評価します。

※当院で行っていない検査が必要な場合は、提携先医療機関と連携して実施します

胃がんの治療

早期胃がんの内視鏡治療

早期胃がんの内視鏡治療

粘膜内または粘膜下層の浅い部分にとどまる早期胃がんでは、内視鏡を用いた治療が可能な場合があります。内視鏡治療のメリットは、胃を温存できること、開腹手術に比べて体への負担が少ないこと、入院期間が短いこと(場合によっては日帰り手術も可能)などが挙げられます。ただし、適応条件(がんの大きさ、深達度、組織型など)を満たす必要があり、慎重な術前評価が重要です。

進行胃がんの治療

内視鏡で診断された進行胃がんでは、一般的に外科手術(胃の一部または全部を切除する)が基本となります。しかし、内視鏡は術前の正確な診断や手術後の経過観察においても重要な役割を果たします。また、切除不能な進行がんでは、化学療法や放射線療法が行われますが、これらの治療中や治療後にも定期的な内視鏡検査が必要となることがあります。

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