胃粘膜下腫瘍とは?

胃粘膜下腫瘍は、胃の粘膜の下にある筋肉層や結合組織から発生する腫瘍の総称です。代表的なものに平滑筋腫、脂肪腫、神経鞘腫、GIST(消化管間質腫瘍)などがあります。
多くの胃粘膜下腫瘍は良性で無症状ですが、一部は将来的に悪性化して胃がんとなります。特にGISTは大きくなると悪性化のリスクがあるため、定期的な経過観察や適切な治療が必要です。
胃の表面を覆う粘膜は正常なので、内視鏡検査のみでは良性・悪性の判断が難しいケースも多々あります。専門医の判断が重要ですので、健康診断やバリウム検査で異常を指摘された場合は、消化器内視鏡専門医のいる当院へご相談ください。
胃粘膜下腫瘍の症状
無症状の場合が多い
胃粘膜下腫瘍の多くは無症状で、健康診断やバリウム検査、他の疾患で行った内視鏡検査で偶然発見されることがほとんどです。小さな腫瘍では症状が現れることはまれです。
腫瘍が大きくなった場合の症状
腫瘍が大きくなると胃もたれ、腹部膨満感、食後の不快感などの症状が現れることがあります。さらに大きくなると食べ物の通過障害や早期満腹感を感じることもあります。また、腫瘍の表面から出血すると貧血や黒色便の原因となることもあります。
胃粘膜下腫瘍の原因
胃粘膜下腫瘍は種類が多く、それぞれで原因が異なります。遺伝子異常、寄生虫感染などがありますが、原因不明のものも多く、具体的な予防方法はわかっていません。
胃粘膜下腫瘍の検査と診断
胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)
胃粘膜化腫瘍は、胃カメラ検査では粘膜に覆われた盛り上がりとして観察されます。表面の粘膜は正常なので、通常の胃カメラ検査(および病理検査)では種類や悪性度の判定が困難なことも多いです。
当院の内視鏡検査
胃粘膜下腫瘍の性質判定には高度な技術が求められます。神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、消化器内視鏡専門医による苦痛の少ない精密検査で詳細な観察を行い、適切な治療方針をご提案します。
超音波内視鏡検査(EUS)
内視鏡に超音波装置(エコー)を組み合わせた「超音波内視鏡」を使い、腫瘍の内部構造や周囲組織との関係を詳しく調べます。腫瘍の良性・悪性の判定に重要な情報を取得できます。
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)
超音波内視鏡に備わった細い針を使って組織を採取し、詳しく調べる検査です。通常の胃カメラでは診断が困難な胃粘膜下腫瘍の場合でも、確定診断が行えます。
画像検査

CT検査やMRI検査により腫瘍の大きさや他臓器への影響を評価します。特に大きな腫瘍の場合は、治療方針の決定に重要な検査です。
※当院で行っていない検査が必要な場合は、提携先医療機関と連携して実施します
胃粘膜下腫瘍の治療
経過観察
小さな良性腫瘍で症状がなければ経過観察で問題ない場合が多いです。定期的な内視鏡検査により大きさの変化を監視し、悪性化の兆候がないか確認します。
手術
大きな腫瘍や悪性の可能性がある場合は、手術(外科的切除)を検討します。開腹を伴わない手術(腹腔鏡手術など)も広まっていますので、従来よりも体への負担を抑えた手術が可能になりつつあります。
当院では連携医療機関と密に連絡を取り、患者様に適した治療方針をご提案いたします。