胃ポリープ

胃ポリープ

胃ポリープとは?

胃ポリープとは?

胃ポリープは、胃の粘膜から隆起(盛り上がり)した病変の総称です。大きさは数mmから数cmと様々で、1つだけのこともあれば複数見つかることもあります。胃ポリープのほとんどは良性ですが、一部はがん化のリスクもあるため、発見された場合は慎重な経過観察が必要となります。

胃ポリープの主な種類

過形成性ポリープ

主に慢性胃炎(ピロリ菌感染)に伴って発生するポリープです。がん化する可能性は低く、ピロリ菌の除菌によって消失することもあります。

胃底腺ポリープ

正常な胃底腺が過剰に増殖したもので、多くは良性です。プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸分泌抑制薬の長期服用に関連して増加することもあります。

腺腫性ポリープ

ほとんどは良性ですが、一部はがん化する可能性があるため前がん病変として扱われます。早期の切除が推奨されています。

胃ポリープの症状

胃ポリープの多くは無症状で、健康診断や他の症状の精査のために行った内視鏡検査で偶然発見されることがほとんどです。しかし、ポリープが大きくなったり数が多くなったりすると、以下のような症状が見られます。

  • 胃の不快感や膨満感
  • みぞおちの痛み
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 貧血(ポリープからの出血が長期間続く場合)
  • 黒色便(ポリープからの出血がある場合) など

胃ポリープの原因

ピロリ菌感染

胃の粘膜に感染するピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、慢性胃炎を引き起こします。傷ついた胃粘膜が治癒する過程でポリープが形成されると考えられます。

薬剤の影響

胃酸分泌抑制薬などの長期間の服用により、胃ポリープ(特に底腺ポリープ)が形成されることがあります。ただし、底腺ポリープは正常な組織が膨らんでいるだけなので、がん化することはほぼありません。

遺伝

家族に胃がんになった人がいる場合、胃がんや胃ポリープの発生率が通常よりも高まる可能性があります。

その他の要因

加齢、食生活(高塩分、高脂肪食)、喫煙、アルコールの過剰摂取などの生活習慣も影響する可能性があります。

胃ポリープの検査と診断

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)

内視鏡を用いて胃の内部を直接観察し、ポリープの大きさ、形状、色調、数、分布などを詳細に確認します。特に拡大内視鏡やNBI(狭帯域光観察)などの技術を用いることで、ポリープの表面構造や血管パターンをより詳細に観察し、良性・悪性の鑑別に役立てます。

また、内視鏡検査中にポリープの一部を採取して調べることで、その種類を特定して将来的ながん化のリスクを評価できます。

当院の内視鏡検査

胃ポリープの性質判定には精密な観察が必要です。神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、特殊光撮影が可能な高性能内視鏡システムと、最大400倍の拡大描写が可能な拡大内視鏡により、胃ポリープの早期発見と適切な鑑別を行います。

バリウム検査(上部消化管造影検査)

造影剤(バリウム)を飲んでからX線撮影を行います。胃の形態やポリープの存在を評価できますが、小さなポリープは見逃すことがあり、また詳細な評価には内視鏡検査が必要です。

胃ポリープの治療

経過観察

多くの胃ポリープは、定期的な内視鏡検査による経過観察が基本となります。ポリープの種類や大きさによって間隔は調整しますが、6か月~1年ごとの内視鏡検査で問題ないことがほとんどです。

内視鏡治療

以下のような場合には、内視鏡を用いたポリープ切除も検討します。ポリープの段階で切除しておくことで、胃がんへの進行を予防できます。

  • 大きさが1cm以上のポリープ
  • 腺腫性ポリープと診断された場合
  • 形状や色調に悪性を疑う所見がある場合
  • 症状(出血など)を引き起こしている場合
  • 経過観察中に上記が見られた場合 など

ピロリ菌の診断・除菌

ピロリ菌感染が原因となっている場合は、その除菌治療が必要です。除菌に成功すると、ポリープが縮小または消失することもあります。ピロリ菌の検査と診断は、胃ポリープの内視鏡検査時に同時に実施できます。

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