十二指腸ポリープとは?

十二指腸ポリープは、十二指腸の粘膜に生じる良性の腫瘍です。胃や大腸のポリープに比べて頻度は低いものの、内視鏡検査の普及により発見される機会が増えています。多くは無症状で、健康診断や他の疾患の検査時に偶然発見されることが多いです。
十二指腸ポリープには様々な種類があり、そのほとんどは良性ですが、一部は時間経過で悪性化して十二指腸がんとなります。特に大きなポリープはがん化のリスクが高いだけでなく、良性でも症状を引き起こすことがあるので、注意深い経過観察や早期の治療が必要です。
十二指腸ポリープの症状
無症状の場合が多い
十二指腸ポリープの多くは無症状です。しかし、ポリープが大きくなると以下のような症状が生じることもあります
- みぞおちの痛み
- 吐き気
- 食欲不振
- 貧血(ポリープからの出血が長期間続く場合)
- 黒色便(ポリープからの出血の場合) など
十二指腸ポリープの原因
遺伝
家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)などの遺伝性疾患の合併症として、十二指腸ポリープが多発することがあります。こうした疾患の家族歴がある方は、定期的な内視鏡検査による経過観察が特に重要です。
慢性的な炎症
慢性的な炎症や刺激により十二指腸粘膜に反応性の変化が起こり、ポリープが形成されることがあります。ピロリ菌感染や十二指腸炎などが該当します。
その他の要因
加齢、生活習慣、環境因子なども十二指腸ポリープの発生に関与する可能性が指摘されています
十二指腸ポリープの検査と診断
胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)
十二指腸ポリープの診断には胃カメラ検査が不可欠です。ポリープの位置、大きさ、形状、表面の性状を詳細に観察しつつ、必要に応じて病理検査を実施し、良性・悪性の判定を行います。
当院の内視鏡検査
見つかりにくい十二指腸ポリープの診断には、専門的な知見が必要です。神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、経験豊富な消化器内視鏡専門医が負担を軽減した検査で慎重に評価し、治療の必要性を適切に判断します。
画像検査
大きなポリープや深部への進展が疑われる場合は、CTやMRIなどの画像検査を追加することもあります。内視鏡では調べられない周囲の臓器への影響も評価できます。
十二指腸ポリープの治療
経過観察
小さく症状のない良性ポリープの場合は、経過観察で問題ないことが多いです。定期的な内視鏡検査により大きさや形状の変化を監視し、必要に応じて治療方針を変更します。
内視鏡治療

1cm未満の小さな良性ポリープの場合は内視鏡的切除も可能です。ただし、十二指腸は壁が薄く、胆管や膵管に近接しているため、慎重な判断が必要です。当院では豊富な経験を持つ専門医が安全性を考慮して治療方針を決定します。
内視鏡での処置が難しい症例の場合には、患者様の安全を考慮して専門機関での治療をご紹介いたします。