大腸がんとは?

大腸がんは大腸(結腸と直腸)の粘膜に発生する悪性腫瘍です。進行すれば命に関わるものの、その一方で早期に発見すれば治癒率の高いがんでもあります。
大腸がんの多くは大腸ポリープ(腺腫性ポリープ)から変化する形で発生するため、ポリープの段階で発見・切除することで予防が可能です。しかし、大腸ポリープや初期の大腸がんは自覚症状に乏しく、症状が出るころには進行がんになっている可能性も高いため、症状のない段階での定期的な検査が重要となります。
大腸がんの症状
早期の症状
初期の大腸がんは症状がほとんどありません。症状が現れるのはがんがある程度進行してからのことが多く、これが大腸がんの発見を遅らせる要因となっています。定期的な大腸がん検診(便潜血検査)、および大腸カメラ検査による早期発見が重要です。
進行時の症状
進行すると血便、便通異常(便秘や下痢)、便が細くなる、腹痛、腹部膨満感、体重減少、貧血などの症状が現れます。特に血便や原因不明の貧血は大腸がんの重要なサインですので、これらの症状がある場合は速やかに受診してください。
大腸がんの原因
生活習慣要因
高脂肪・低食物繊維の食事、赤肉や加工肉の過剰摂取、肥満、喫煙、過度の飲酒、運動不足などが大腸がんの発生リスクを高めます。これらは他の消化器疾患や生活習慣病の原因にもなりますので、当てはまる方は医師と相談しながら改善に努めましょう。
遺伝
家族に大腸がんの既往がある場合は発症リスクが高くなります。特に家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)やリンチ症候群などの遺伝性疾患では、若い年齢から大腸がんが発症することがあります。
その他の要因
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、過去の大腸ポリープの既往、加齢なども大腸がんのリスク因子として知られています。
大腸がんの検査と診断
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)
肛門から内視鏡を挿入して大腸内のがんの位置、大きさ、進達度を詳細に評価します。疑わしい所見を発見した場合は、検査中に組織を採取して病理検査を行い、確定診断を行います。
当院の内視鏡検査
大腸がんの早期発見には、質の高い内視鏡検査が不可欠です。神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、消化器内視鏡専門医による大腸カメラ検査で治癒可能な段階での発見を目指しています。特殊光撮影が可能な内視鏡システムと拡大内視鏡を活用し、わずかな病変であっても逃さず発見いたします。
便潜血検査
大腸がんのスクリーニング検査として重要な役割を果たします。簡便で負担の少ない検査ですが、確定診断はできないので、陽性となった場合は精密検査として大腸カメラ検査を受ける必要があります。
画像検査
CT検査やMRI検査により、がんの進行度や他臓器への転移の有無を評価します。治療方法を決めるために重要な検査です。
※当院で行っていない検査が必要な場合は、提携先医療機関と連携して実施します
大腸がんの治療
早期がんの治療

がん細胞が大腸粘膜表面に留まっており、周囲への転移を起こしていなければ、内視鏡による治療(内視鏡的切除)が可能です。当院でも日帰りで実施できるので、患者様の負担を大幅に軽減できます。
進行がんの治療
進行がんの場合は外科手術や化学療法(放射線治療、抗がん剤治療)などが必要になりますので、患者様の状態に応じて適切な医療機関をご紹介いたします。手術後のフォローアップは当院で継続して行い、患者様の長期的な健康管理をサポートします。
予防の重要性
定期的な大腸カメラ検査により前がん病変であるポリープを切除することで、大腸がんの予防が可能です。当院では患者様お一人おひとりのリスクに応じた検査間隔をご提案し、効果的ながん予防をサポートいたします。