アニサキス

アニサキス

アニサキスとは?

アニサキスとは?

アニサキスは魚介類に寄生する線虫の一種です。生の魚や十分に加熱されていない魚介類を食べることでヒトの胃や腸に胃壁や腸壁に食いつき、激しい症状を伴う食中毒を起こします。

魚介類の生食後、数時間以内に激しい腹痛が現れた場合はアニサキスが原因の可能性が高いです。早期の治療で症状を改善できますので、心当たりがある場合は当院までお気軽にご相談ください。

アニサキスは人を宿主にはできない

アニサキスは酸への耐性があり、強い酸性の胃酸にも耐えることができます。一度体内に侵入したアニサキスへの感染を防ぐことは難しいため、食べないように予防することが何よりも重要です。

幸いアニサキスはヒトを宿主にはできないため、感染しても1週間程度で自然に死滅します。しかし、その間は激しい症状に見舞われるため、症状が現れた場合はすぐに当院を受診してください。

アニサキスの症状

胃アニサキス症の症状

アニサキスが胃に感染するケースでは、生の魚介類を食べた後、通常2~8時間で激しいみぞおちの痛みが現れます。吐き気や嘔吐を伴うことも多いです。痛みは波のように強くなったり弱くなったりすることもあります。

腸アニサキス症の症状

アニサキス症のほとんどは胃への感染ですが、まれに腸にまで到達することがあります。基本的に胃アニサキス症よりも発症が遅く、食後数日経ってから下腹部痛、腹部膨満感、悪心、嘔吐などの症状が現れます。まれに腸閉塞を起こすこともあり、重篤な場合は緊急手術が必要となることもあります。

アレルギー症状(アニサキスアレルギー)

アニサキスに対するアレルギー反応として蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシー症状が現れることもあります。重症の場合は生死に関わる可能性があるため、直ちに救急受診が必要です。

アニサキスの感染経路

新鮮な魚介類であってもアニサキスに感染している可能性があります。魚が生きている間は内臓に寄生していますが、魚が死ぬと筋肉部分に移動するため、刺身や寿司でも感染のリスクがあります。

アニサキスが寄生している魚の例

サバ、イワシ、サンマ、アジ、サケ、イカなど

アニサキスの検査と診断

問診

魚介類の摂取歴と症状の経過から診断の手がかりを得ます。食事内容と症状出現までの時間経過も診断に有効です。

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)

胃カメラ検査を行い、消化管内に虫体が発見されれば確定診断となります。

当院の内視鏡検査

神戸市東灘区・摂津本山にある賀来医院では、消化器内視鏡専門医が患者様の負担を抑えた検査で虫体の発見から摘出まで迅速かつ確実に対応いたします。アニサキス感染が疑われる場合は、我慢せずに当院を受診してください。

アニサキスの治療

内視鏡による診断・治療

内視鏡による診断・治療

当院の高性能内視鏡により、胃粘膜に刺入した細いアニサキス虫体も鮮明に観察できます。胃カメラ検査中にアニサキス虫体を発見した場合は、内視鏡用の鉗子を用いて虫体を摘出できます。

虫体を除去することで症状は劇的に改善し、治療後すぐに痛みが軽減されることがほとんどです。当院では苦痛の少ない内視鏡検査により、迅速な診断と治療を提供いたします。

薬物療法

内視鏡での摘出が困難な場合は、対症療法や駆虫薬による治療を行うこともあります。アレルギー症状に対しては抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使用して症状を軽減します。

アニサキスの予防

アニサキス症の予防には十分な加熱(60度以上で1分間)または冷凍処理(マイナス20度以下で24時間以上※)が有効です。新鮮な魚でも感染のリスクがあることを理解し、生食する際は信頼できる店舗で購入した魚介類を選ぶことが大切です。

(※)家庭用冷蔵庫はマイナス20度以下に設定できないものが多いです。この場合は長時間の冷凍(48時間以上)でもアニサキスを死滅させることができます

tel.078-411-4168